紀要3号 報告2
 

沖縄県立看護大学の成人保健看護概論の授業展開 第2報
― 事業所見学に焦点をあてて ―

吉川千恵子1) 伊藤幸子1) 前原なおみ1) 石川りみ子1) ミヤジマ厚子1)
  比嘉かおり1) 仲宗根洋子1) 金城利香1) 赤嶺伊都子1) 上間直子1)
 
 

成人保健看護の対象者は、一生を成人保健活動の視点でみると、産業保健との関わりで約40年間職業生活を送ることになる。
そこで、本授業では、成人保健看護の対象をより深く理解するために、授業の一環として県内の11の事業所見学を昨年から行っている。
見学の目的は事業所で働く人々の特性と健康問題や健康管理の特徴を理解するとともに、看護職者が果たしている役割と実際活動について学ぶことにしている。
見学の結果、学生は1事業所の作業環境・職業的特徴によって生ずる健康問題、生活習慣などによって生ずる健康問題があること 2各事業所において、労働安全衛生法によって健康管理システムが組織化され、組織的に健康管理、作業環境管理、作業管理が行われていること 3保健婦・看護婦は事業所の中で従来の健康管理活動に加えて、新たにメンタルヘルスケアやトータルヘルスプロモーションプラン(THP)など社会の変化や、職場環境の変化から生ずる健康問題に対応している。など、事業所における対象者の健康管理の中核となって、産業医と連携しながら活動していることを理解している。
また、学生は事業所で保健婦・看護婦、産業医、安全衛生管理者によって、働く人々の健康が守られていることに気付いている。
さらに、保健婦・看護婦の活動を身近に見てこれからの学習をしていく上での刺激になっている。

キーワード:学生の学び 事業所 成人期 健康管理 産業保健婦・看護婦

1)沖縄県立看護大学

 
 

I 緒 言

総務庁統計局の労働力調査 1) によると、 1998年の15歳から64歳の生産年齢人口は8,692万人、 労働力人口 (就業者+完全失業者) は6,793万人、 就業者は6,514万人である。 このうち労働基準法および労働安全衛生法の適用を受けている雇用労働者は5,368万人の多数にのぼっている。
これらの人々の一生を成人保健看護活動の視点でみると、 産業保健との関わりで生活する期間は、 定年を60歳とすると、 大学卒業者で38年、 高校卒業者で42年、 中学卒業者で45年の間、 職業生活を送ることになる。
このように、 成人保健看護の対象である雇用労働者は事業所を基盤としての職場における健康管理が重要視される。 成人保健看護教育においても、 職業をもって生活する対象を理解する視点から、 成人保健看護概論の中で保健看護が行われている場として事業所の健康管理を位置づけている。 しかし学内の講義のみでは対象を理解することは困難と考え、 講義と併行して事業所見学を行っている。
紀要第2号においては、 成人保健看護概論の授業内容を概説したが、 本稿では事業所見学を通して学生は、 事業所で行われている健康管理の現状から働く場の概要と健康問題、 健康管理システム、 衛生管理者としての保健婦・看護婦の役割、 産業保健の重要性などについて、 理解を深めてきたので報告する。

 
 

II 授業展開方法と実際

1 授業内容における事業所の健康管理の位置づけ

成人保健看護の対象は年齢3区分 1) からみると生産年齢人口 (15歳~64歳) が対象になると考える。 生産年齢人口の中で就業人口 (前述) は多く、 成人保健看護の視点からその所属する職場の健康管理は重要な役割があると考え授業の中に位置づける 2) とともに、 県内の事業所でどんな健康管理がなされているか、 見学を通して理解することとした。

2 事業所見学方法

1) 対象:本学2年次学生85名。 成人保健看護概論の講 義の中で、 事業所の健康管理について学んだあと、 事 業所見学を行った。
2) 時期:平成13年5月30日 午後1時~5時 (4時間)
3) 見学の内容:授業で 「事業所における健康管理の目的と健康管理チーム、 健康診断の種類と事後措置、 健康づくり、 看護職者の業務内容」 を学んだあと、 「事業所の概要および健康問題、 健康管理システム、 看護職者の役割と実際」 について見学した。
4) 見学方法:事業所の特徴により健康問題が理解できると思われる県内の11の事業所を選定した。 見学した事業所を日本標準産業分類でみると、 E建設業1社、 G電気・ガス熱供給2社、 H運輸・通信業2社、 I 卸売・小売業1社、 J金融・保険業2社、 Lサービス業 (情報サービス) 2社、 M公務 (地方公務) 1社である。
学生配置は1事業所7~8人とし、 保健婦または看護婦の指導で見学を行った。
5) 分析:見学後の学生レポートより見学内容の課題に沿って保健婦又は看護婦が常勤している10社について分析した。

3 事業所見学学習

A 事業所の概要および健康問題 (表1)
1) 事業所の概要
 10社の従業員数は、1000人以上の事業所4社、1000人以下の事業所6社であった。 保健婦または看護婦は1000人以上4社のうち3社に2人、 1社は1人で、 1000人以下の6社は1人であった。 その活動拠点は、 名称は異なるが、 健康相談室、 保健室、 医務室で従業員の健康管理を行っていた。 産業医は1社を除く10社は非常勤であった。 メンタルヘルス医は10社のうち6社に非常勤としていた。
 事業所の特徴と職場環境からくる疾患、 健康障害 の防止対策
1 G 電気・ガス供給業
有機溶剤による悪臭やガスタンクの補充や洗浄などを行う際に出る粉塵が多く、 また騒音がすごい。 夏場は50℃近い中で作業を行うため環境は良くない。 対策として大きな扇風機を使用しており、 ゴーグル・マスク・耳栓は保護具として全ての作業員に着用を促していた。 職業からくる疾患として、 難聴、 塵肺が予測され、 その防止対策として保護具の使用を指導していた。
1 I 卸・小売業
気温-25℃の冷凍庫の中での作業で冷凍マグロなど商品は何万種類と多く、 県内最大の施設であった。 対策として、 冷凍庫内での作業を最大1時間以内とし、 ヘルメット使用と保護衣の着用を義務づけていた。 また、 PHSを携帯させ、 倉庫内での閉じ込め防止を図っていた。 感冒など長引いた場合は完治するまで休ませている。 職業からくる疾患として感冒、 腰痛があり、 腰痛対策としてベルトの着用を義務づけていた。
1 G 電気・ガス供給業
電力発電所や電気工事現場などでの作業が多く、 対策としてヘルメット着用を義務づけるとともに、 事故やケガに備えて各営業所ごとに担架及び救急セットを常備していた。 職業からくる疾患としてはケガが多く、 その予防対策として安全教育及び救急処置について指導していた。 また、 THPによる心と体の健康づくりにメンタルヘルス相談に重点をおいていた。
1 E 建設業
各種建材などを取り扱う建築現場では、 ケガや事故がないよう常に安全に努めている。 ヘルメットの着用は義務である。 建物のスラブ打ち修了後にやぎ料理を食べる習慣があり、 同時に飲酒も多く肝機能障害や高脂血症が多い。 各職場の上司からも節酒の指導をしており、 効果をあげていた。 また、 有機溶剤による低酸素血症や屋外建築現場での作業による日射病、 過労、 食中毒があり、 その防止対策として作業時間、 作業場の換気、 作業方法の指導をしていた。 さらに、 年1回健康展を開催し、 健康づくりと疾病予防に重点をおいていた。
1 J 金融・保険業
デスクワークが多く、 運動不足、 ストレス、 腰痛が多い。 職場巡視による健康教育、 THPによる心と体の健康づくりに重点をおいていた。
1 M 公務
ストレス及びVDT作業による眼精疲労, 肩こり、 腰痛、 ストレス、 握力の低下などの健康障害が多く、 健康相談者も多い。 メンタルヘルス相談に重点をおいていた。
1 H 通信業
デスクワークによる運動不足、 VDTによる眼精疲労、 肩こり、 腰痛などの健康障害やイライラする、 眠れないなどが多い。 メンタルヘルス相談やTHPに重点をおいていた。
1 H 運輸業
整備部門では航空機発着による騒音の近くで作業を行うため、 耳栓を使用しているが難聴が健康問題となっている。 また、 特殊有機溶剤を使用しているため洗浄用のアイボンが常に救急箱に設置されている。 作業用保護衣、 ゴーグルマスクを使 用している。
客室乗務員や空港部門では荷物の上げ下ろしが原因で腰痛、 椎間板ヘルニア、 また、 気圧変化による航空性中耳炎も多い。 職場巡視による指導とメンタルヘルス相談に重点をおいていた。
1 L サービス業 (情報サービス)
印刷部門はコンピューター化されていたが、 工場内では騒音とインクの臭いが気になった。
また、 記事もパソコンに入力され、 メールにより送信されるが時間との勝負でストレスが多い。 コンピューター等使用による視力低下などがある。 印刷部門では耳栓やマスクの使用を指導し、 記者室や事業所では換気、 照度のチェックが行われていた。
2) 全事業所に共通する健康診断による健康問題とし て高脂血症、 肝機能障害、 高尿酸血症、 虚血性心疾 患、 糖尿病などの生活習慣病があるが、 ストレスか らくるメンタルヘルスの問題も多かった。

B 健康管理システム (図1) (表2)
1) 事業所における健康管理システムは、 労働安全衛生法に基づきどの事業所においても多少異なるが図1のように安全衛生管理体制が組織化され、 表2の仕事が行われていた。
衛生管理者である保健婦・看護婦は、 安全管理者と共同で作業の環境管理、 作業管理を行うが、 専門職独自機能として、 産業医と連携し健康管理を行っていた。 事業所における看護職者は、 健康管理システムの中において、 中核となりまた、 安全衛生管理委員会に対しては、 健康問題を提案し、 解決のために協力を求めていく重要な役割をもっていた。
安全衛生委員会はどの職場でも月1回開催され、 作業環境管理については定期的に職場環境調査や空調環境測定が行われていた。 作業管理については職業性疾患予防の視点から作業時間、 作業方法などが指導されていた。 健康管理については、 定期健康診断、 特殊健康診断をはじめ、 産業医、 メンタルヘルス医、 栄養士とチームによる健康相談、 健康教育などが行われていた。

C 看護職 (保健婦、 看護婦) の役割と実際 (表3)
1) 各事業所を通して共通する活動内容は、 (表3) の とおりである。
 総括管理は、 保健婦、 看護婦が実際活動を行うために重要な役割で、 衛生管理業務の企画立案、 予算管理、 コーディネイト機能、 安全衛生管理委員会への出席、 活動報告書・統計資料の作成を行っていた。
 実際活動は、 健康診断の計画と実施、 事後措置、 健康の保持増進のためのTHP実施、 健康相談、 健康教育など (表3) に示すような多岐にわたる活動を行っていた。 また自己啓発のための研修会への参加や、 産業看護の専門性を発展させていくための産業看護研究会を月1回開催していた。
 協同活動は、 安全管理者、 衛生管理者と協同で行っていた。
 健康管理チームとして、 産業医、 メンタルヘルス医、 安全衛生推進者、 衛生推進者、 保健婦および看護婦で組織化され実際活動を支援していた。

2) 各事業所の特徴からみた活動は (表1) (表2) に 述べたとおりであるが、 具体的活動内容は、
1 健康診断では、 職場規定で健康診断の結果をA:自宅療養又は入院による休業、 B:勤務軽減 (4時間~8時間など) が必要、 C:勤務時間のみ勤務する事 (残業や出張なし)、 D:健康管理に気をつけて生活 (要注意)、 E:現状維持の5段階に分類して健康管理を行っていた。
1 健康相談は多肢にわたっており、 来所相談、 職場巡視、 メール相談、 文書による相談など看護職のみで行う場合、 産業医と共に行う場合、 栄養士と共に行う場合など対象に合わせて実施している。
1 健康教育は、 健康展、 講演会、 禁煙教育、 飲酒教育、 エイズ教育、 安全教育、 救急教育、 生活習慣病予防教育、 疾病管理のための教育 (例、 高血圧、 糖尿病、 高脂血症など)、 季節に応じた教育 (風邪予防など)、 疾病予防教育 (日射病、 VDT、 メンタル、 過労、 腰痛、 難聴、 食中毒など)、 メールによる健康情報提供など幅広く行われていた。
1 作業管理として職場巡視の中で、 作業方法の改善、 疲労・ストレス対策、 保護具の選定・着用指導、 休憩・休息の取り方などが指導されていた。
1 訪問は長期療養者を病院に訪問したり、 在宅訪問したりして、 職場復帰についての健康状態を把握していた。
1 THPは、 健康づくり事業の一環として保健指導、 運動指導、 栄養指導、 心理相談を推進しており、 そのための設備をもっているところもあった。

D 学生の主な所感(一部紹介)
1)  共通な学び
・教科書では学べない現場での状況や問題などを見学で学ぶ事が出来て、 とても勉強になった。 時代の変化に伴って起こる、 健康についての問題への対策などよく理解できた。

・現在の成人期の人々がストレスや悩みを多く抱えているなかで、 産業看護は重要な役割を果たしていた。
・4時間くらいの見学だったが、 とてもたくさんのことを学ぶ事が出来てよかった。
・産業保健婦に関する予備知識はある程度あったが、 実際に事業場で働く看護職者の仕事風景を見てとても有意義であった。 産業看護職者の仕事内容は、 総括管理から始まって労働衛生教育、 健康管理、 作業健康管理、 作業管理と想像以上に大変なものだった。
・健康相談室を社員の癒しの空間としようとする努力が至る所で見られ、 大変な仕事だと思った。 ストレス社会においていかに社員の健康を保つか、 ストレスと上手く付き合っていけるかは本人の努力とそれをサポートする保健婦のアドバイスで作られているんだなと思った。
・部長が従業員に節酒するよう呼びかけるだけで、 肝機能障害が指摘される人は一気に減少したというので、 呼びかけの強さも実感した。
・講義で産業保健の目的は 「全ての職業に従事する人々の身体的・精神的・社会的健康を最高に保持増進する事」 ということを習ったが、 見学で実感できた。
・事業所で働く人々は、 家庭では経済を支える中心であり、 父親、 母親であり、 健康でなければならないと思った。
2)  事業所の特徴からの学び
・工場内は暑さと騒音の圧迫感があり、 この圧迫感がストレスになるだろうという事はすぐに感じた。 デスクワークや工場で働く人のストレスを保健婦は感じており、 日々環境づくりに頑張っている姿も感じ取れた。
・施設中の要所に担架が設置され、 急病にも対応できるようにしていた。 危険が多い場所だからこそ、 社員一人一人が気を使い、 お互いをサポートしあわなければならないと思った。 その中心となるのが保健婦、 看護婦なんだと思った。
・その会社特有の疾患などの把握、 対策など、 自分で仕事を見つけ解決していく面白さを感じた。
・今まで考えていたよりもさらに多くの仕事を行っていることに驚いた。 職場の環境があまりよくないなと感じた。 職員の健康のことを考えるなら、 もっと職場環境を改善したほうがいいと思った。
・ゆっくりとくつろぐ場所がないことに驚いた。 スペースが狭いと、 人と人との間隔も狭く、 パーソナルスペースが守られない為、 ストレスがたまりやすくなるのではないか。 クーラーによって体調を崩す危険性も考えられる。 照明が適切であるとは思えなかった。 メンタル面での病気療養明けの職員に対する対応はもっと考えていかなくてはならないと思った。
・労働者のストレスケアはどうなっているのかととても関心があった。 事業所見学した時、 「職場における心の健康づくりと精神障害の労災認定」 というフォーラムに参加できて、 とても勉強になった。 労働者のメンタルケアが実施されていることを知ることができてよかった。
・輪転機の騒音は、 思っていたよりもうるさかった。 作業員は、 耳栓をしていたが騒音は大変だろうと思った。 30分の見学だったが騒音やインクの臭いで少し頭痛がした。 本社では常に新しい情報を求め、 時間との勝負で締め切り前はとても忙しくなり慌しくなると聞き、 大変な仕事だと思った。 職場でのストレスを持っている人が60%にのぼっており、 職場における心のケアが大切だと改めて思った。

 
 

III まとめ

成人保健看護概論の授業の一環として、 職業をもって生活する対象を理解する視点から県内11ヵ所の事業所見学を行った。 僅か4時間の見学の中から学生は、 1事業所の概要・職業的特徴によって生ずる健康問題、 生活習慣などによって生ずる健康問題があること 2各事業所において、 労働安全衛生法によって健康管理システムが組織化され、 組織的に健康管理、 作業環境管理、 作業管理が行われていること 3従来の健康管理活動に加えて、 新たにメンタルヘルスケアやトータルヘルスプロモーションプラン (THP) など社会の変化や、 職場環境の変化から生ずる健康問題に対応していること 4事業所で保健婦・看護婦、 産業医、 安全衛生管理者によって、 働く人々の健康が守られていること 5成人期の対象を理解し、 職業から生ずる健康問題や生活習慣病においても理解していること 6保健婦・看護婦の活動を身近に見てこれからの学習をしていく上での刺激になっていること 7看護を広く考える機会になっていることなどについて多くのことを学んでいる。

 
 
謝 辞
本事業所見学学習は、 11ヵ所の事業所の保健婦・看護婦と施設長のご協力のもとに事業所内での講義・説明、 施設案内、 懇談会など学生に理解できるようご指導いただいたことに深く感謝の意を表する。
 
文 献 1) 厚生統計協会:厚生の指標 国民衛生の動向 厚生統計協会 2000

2) 紀要編集委員会:紀要第2号 沖縄県立看護大学 2001年
3) 柳川洋、 中村好一編集:公衆衛生マニュアル2001 南山堂 2001
4) 山本幹夫:健康管理概論 光生館 1990
5) 記念誌編集委員会:10年のあゆみ 沖縄県産業看護研究会 2000
6) 氏家幸子監修:第2版 成人看護学 A.成人看護学原論 廣川書店 2001 
7) 波多野梗子:系統看護学講座 専門1 基礎看護学1看護学概論 医学書院 2000
8) 野口美和子:新版看護学全書第16巻成人看護学1 メヂカルフレンド社 2000
 
 
表1 事業所の概要および健康問題
  産業分類 従業員数(人) 産業保健婦・看護婦数 産業医数(人) メンタルヘルス医数(人) 事業所特徴と職場環境からくる疾患 健康障害の防止対策 健康診断による健康問題
A 社

G 電気・ガス供給業
I 卸・小売業

598 1 栄養士1 健康相談室 1 0 ・ガス営業所:有機溶剤による悪臭、騒音、粉塵 ・低温流通:-25℃の冷蔵庫の中で作業  ・難聴、じん肺、腰痛、感冒 ・本社:デスクワークによる運動不足、人事異動によるストレス ・ゴーグルマスク、耳栓、ヘルメット着用 ・腰痛対策のためのベルト着用  ・冷凍庫内の作業は1時間 ・冷凍庫内閉じ込め防止のためのPHS使用  ・感冒は完治まで休養 ・トータルヘルスプロモーションプラン(THP) ・高脂血症 ・肝機能障害  ・高尿酸血症 他肥満 ・ストレス
B 社 G電気・ガス供給業 1,552 2 保健室 2 1 ・発電所や電気工事での作業  ・発電所や工場や現場におけるケガ、騒音 ・本社:デスクワークによる運動不足、人事異動によるストレス ・各事業所に担架及び救急箱を常備  ・ヘルメット着用、耳栓 ・職場巡視、メンタルヘルス相談 ・トータルヘルスプロモーションプラン(THP) ・高脂血症  ・肝機能障害  ・糖尿病 他肥満 ・ストレス
C 社 E建設業  551 1 健康相談室 1 1 ・スラブ打ちや完成祝いでの飲酒の機会が多いことによる肝機能障害、高脂血症  ・ダイオキシンやシンナーなどの有機溶剤使用による低酸素血症 ・屋外建築現場での作業による日射病、過労、食中毒 ・本社:デスクワークによる運動不足、人事異動によるストレス ・作業現場でのヘルメット、マスク着用 ・職場巡視 ・救急処置 ・作業時間、作業場の換気、作業方法、休憩 ・健康展開催による事故防止啓発 ・健康づくり ・メンタルヘルス相談 ・肝機能障害 ・高脂血症  ・高尿酸血症 ・喫煙 ・ストレス
D 社 J金融・保険業 700 1 人事課 1 ・デスクワークによる運動不足、ストレス、腰痛、椎間板ヘルニア、切迫流産 ・過換気症候群 ・分煙の実施 ・照度、換気、職場巡視 ・トータルヘルスプロモーションプラン(THP) ・糖尿病 ・高血圧 ・肝機能障害 ・ストレス ・喫煙
E 社 1,600 2 医務室 1  
F 社 M公務 3,200 1 栄養士1 健康相談室 1 1 ・デスクワークからくる運動不足 ・VDT作業からくる眼精疲労、肩こり、腰痛、ストレス、握力の低下 ・分煙の実施 ・照度、換気、職場巡視 ・メンタルヘルス相談に重点 ・糖尿病・高尿酸血症  ・虚血性心疾患・高血圧 ・メンタル疾患(うつ病、神経症) ・筋骨格系の疾患(腰痛、ヘルニア)
G 社 H通信業 1,052 2 健康管理センター 診療所有 3 0 ・デスクワークからくる運動不足 ・VDT作業からくる眼精疲労、肩こり、腰痛、ストレス、握力の低下 ・分煙の実施  ・作業方法の改善 ・照度、換気、職場巡視 ・メンタルヘルス相談 ・トータルヘルスプロモーションプラン(THP) ・メンタルヘルス:ストレス,テクノストレス  ・生活習慣病:高脂血症、糖尿病、高血圧など
H 社 H運輸業 691 1 健康相談室 1 0 ・整備部門では騒音による難聴 ・空港部門では荷役作業による腰痛、椎間板ヘルニア ・客室部門では立位による腰痛、気圧変化による航空性中耳炎 ・整備等作業現場における保護衣、ゴーグルマスク ・耳栓、腰痛対策用ベルト ・メンタルヘルス相談 ・職場巡視 ・生活習慣病:高脂血症、肝機能障害 ・メンタルヘルス:ストレス ・航空性中耳炎
I 社 Lサービス業 430 1 保健室 1 1 ・印刷工場:騒音による難聴、インクの臭いによる臭覚障害・原稿仕上に伴うストレス ・VDT作業からくる眼精疲労、肩こり、腰痛 ・耳栓、マスク、照度、換気 ・作業方法の改善 ・職場巡視 ・メンタルヘルス相談 ・喫煙問題  ・生活習慣病:高脂血症、糖尿病、肝機能障害、肥満 ・精神的ストレス 
J 社 480 1 医務室 1 0
注1 産業分類は、日本標準産業分類法による。
注2 産業医は、G社のみ常勤で他は非常勤である。
注3 メンタルヘルス医は、非常勤である。
注4 本表は学生のレポートより作成したものである。




表2 健康管理の主な内容
事業所別 健康管理、作業管理、作業環境管理、労働安全教育など
Gガス供給業 Ⅰ低温流通食品卸売業  ・産業医を中心とする健康管理チームによる健康診断、健康相談、健康教育、健康増進などによりなる。産業医は年に2回本社へ赴き、現場へは着きに一回、衛生管理者と共に訪問し、作業方法または、衛生状態に問題がある時は、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講ずる。
・最近の健康診断の受診率は役90%以上と高い、その背景には衛生管理者の声かけなどによる。啓発がある。
・34歳以下は一般健診、35歳以上は人間ドック、50歳以上は脳ドックを実施。
・身体面のみならず、メンタルヘルスケアも重要視され、保健指導、心理相談、栄養指導などの全観点からトータルヘルスプロモーション(THP)への取り組みが始められている。
G電気供給業 ・産業保健婦2人と産業医1人、メンタルヘルス医1人の計4人で安全衛生法に基づいて健康管理を行っている(34歳以下は一般健診、35歳以上は人間ドック)。健康診断の受診率は98%と高い。
・産業医とメンタルヘルス医はそれぞれ委託しており。週に2回の保健室や現場において、社員の健康管理を行っている。
・健康づくりの観点から、保健指導、運動指導、栄養指導、心理相談が行われており、トータルヘルスプロモーションプランへの取り組みが行われている。
・新入社員への労働安全教育。
E建設業 他 ・労働安全衛生法に基づき、毎月1回安全衛生管理委員会が開催。
・中長期計画、短期計画を立案し健康管理を行っている。
・平成13年度の重要施策は、1作業環境改善の支援2生活習慣の改善を支援3健康診断の完全実施で疾病の早期発見治療を支援4各職場の衛生管理体制を支援5精神的安定を支援など。
・産業医は2週ごとに定期健康相談を実施。
J金融・保険業 ・作業環境管理:2カ月に1回職場環境の検査。
・作業管理:1時間に1回の休憩 ・健康管理:健康診断、健康相談(臨居健康相談―昼食の塩分チェック)
・訪問指導―育児休業中の女子社員の育児不安・悩みへのアドバイス
・トータルヘルスプロモーション(THP)への取り組み
・分煙室の設置     
M公務    ・那覇市職員安全衛生管理規制に基づき、安全衛生管理体制がとられている。
・市長の下に総括衛生管理者・総括安全衛生管理者と続き、安全管理者、産業医、所属長(50人以上)、所属長(50人未満)の4つに分かれている。
・健康管理:健康診断、健康相談、健康相談室だより発行
・作業環境管理:照度、換気、VDT機器使用環境チェック
H通信業 ・労働安全衛生法に基づく安全衛生管理体制と委員会の開催
・診療所があり、医師、看護婦、保健婦、レントゲン技師が配置され日常的に職員診療が行われている。
・健康管理:健康診断(人間ドック、定期検診、VDT検診、単身赴任者健診など)、健康相談(メンタルヘルス相談、職場巡回相談)
・作業環境管理:職場巡視による照度、換気
・作業管理:作業時間、作業方法、休憩のとり方
H運輸業  ・安全衛生法による定期健康診断
・航空法に基づく健康診断:半年に1回視力・聴力検査など(客室乗務員。運航乗務員対象)
・特殊健康診断:有機溶剤健診 半年に1回(有機溶剤を扱う職員対象)
・作業環境管理:職場巡視による環境管理、健康障害の予防
・作業管理:作業時間、方法、休憩のとり方
Lサービス業  ・労働安全衛生法に基づく安全衛生管理体制と委員会の開催。
・各局(編集局など)を1単位として、各局の次長が衛生管理委員となり、2カ月に1回衛生管理委員会が開催。安全衛生委員会:月1回開催。
・健康管理:健康診断と事後措置、疾病管理、トータルヘルスプロモーションプランへの取り組み
・作業環境管理:空調環境測定:2月に1回
・作業管理:作業方法の改善、保護
・総括管理:衛生管理業務の企画立案コーディネイト、予算管理、職場巡視
  注 本表は学生のレポートより作成したものである。



表3 看護職(保健婦・看護婦)の役割と実際
役割と実際活動 内容
総括管理 1)衛生管理業務の企画立案
2)予算管理
3)コーディネイト
4)安全衛生管理委員会出席
5)活動報告書、統計資料作成
実際活動 1)健康診断(採用時健診、定期健診、特殊健診、婦人科健診、VDT検診など)の計画と実施
2)健康診断の事後措置(医学的、環境管理的、事務的、労働衛生学的措置)
3)健康の保持増進(トータルヘルスプロモーションプラン)
4)健康相談(メンタルヘルス相談、来所相談、職場巡回相談、メール相談)
5)健康教育
6)訪問(在宅療養者、入院加療中)
7)救急処置と薬品管理
8)健康展の開催(C社)
9)疾病管理
10)情報収集、整理。提供
11)職場巡視
12)健診機関:医療機関との連携
13)保護具の選定、着用指導
14)労働災害、衛生管理に関する事務年鑑
15)研修会、事業看護研究会出席
協同活動 1)安全健康教育(新任者教育、職業性疾病予防教育)
2)作業環境管理(有毒要因を除去し、快適作業環境を維持)
例:保護具の選定・指導、作業環境測定など
3)作業管理(職業性疾病の予防―作業時間、方法など)
健康管理チーム 産業医、保健婦、看護婦、衛生管理者、安全衛生推進者、衛生推進者
  注 本表は学生のレポートより作成したものである。
 
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