第 III 章-2 平成21年度 自己点検評価会議と自己評価報告書
組織的な大学院教育改革推進プログラム(島嶼看護の高度実践指導者の育成)
大学院GP:「組織的な度学院教育改革推進プログラム」
事業名(島嶼看護の高度実践指導者の育成)
外部評価委員会会議録
1.日時:平成22年3月6日(土)15:30〜16:50
2.場所:教授会室
3.出席者:外部(敬称省略;前原澄子、仲宗根正、奥濱杖子、長濱光男、
瀬名波榮喜、玉城英彦、植田悠紀子)
学内(敬称省略;野口美和子、金城芳秀、前田和子、神里みどり、
嘉手苅英子、有銘政勇)
事務局;伊敷健伸、仲井真美幸
提出資料
資料1:平成21年度 自己評価報告書
資料2:平成21年度 成果報告書
資料3:講義資料集(非常勤講師、ゲストスピーカー)
資料4:島嶼保健看護実習・研修資料集(海外実習:グアム・サイパン・テニアン)
資料5:2009 American Pacific Nursing Leaders Council Conference 参加報告書
1.野口学長の挨拶の後、院GP取り組み実施責任者の神里教授より資料1及び資料2を用いて、平成21年度の成果報告があった。
2.主な質疑及びコメント
1)島嶼保健看護特別研究Uについて
アメリカのPhDプログラムに沿った教育内容である。予備審査までにどのような経過を取るのか。また、修了時の外国語能力の確認はどのようにしているのか。
回答:
・研究指導教員と研究補助教員が指導を行う
・研究指導教員が論文審査の主査、研究補助教員や他の教員が副査となる。
副査の人数は2〜3人である。
・学生が選択した研究内容に焦点があてられるよう、教員全員で指導が行え
る体制を取っている。
・入学試験に英語があるので、改めて英語の試験は行ってない
集団指導体制をとっているのか。 回答:学生のテーマによって研究指導教員と研究補助教員を決めて指導している。
集団指導体制がよいと思っている。医学部では1人で指導を行っており、集団指導を行なわないことによる弊害があるが、沖縄県立看護大学においては指導教員と補助教員の指導体制は非常に良いことと評価している。
将来研究者(高度プロ)になるためは能力があるかをチェックする必要がある。つまり、PhDのcandidate(候補者)になれるか、中間の時期に全体でチェックする必要があろう。
回答
・予備審査の導入が出来ない現状にあるが、現在中間検討会を持っている。
・次年度から学生一人一人に対し研究科教員全員の意見をもらうシステムへ
改革予定である。
2)院GPの取り組みに対する現場からの評価について
現場ではいろいろな恩恵を受けている。看護師から大学院に進学したいと希望があった。遠隔地で色々な講義が受講でき、今まで以上に大学院教育への関心度が高まっている。
大学と一緒に研究する取り組みも始まり、現場からはこれを継続していただけるとありがたいとの評価を得ている。
すぐに評価ができる問題ではない。結果がすぐに目にみえないことに、はがゆい部分もある。しかし、少しずつ変化していることを現場として感じているようである。
院GP終了後はどのような計画になっているのか。院GP終了段階での評価を考えながら進めているか。
回答
・終了後については、未だ十分に検討していない。現在、宮古島教室は宮古
病院より借用中であるがその検討も必要である。
・TV会議システムの保管管理者の調達についても未検討である。
・学内の教員間で科目についての検討も必要である。
・院GPの学生定員は前期2名、後期1名であるが、受験生は増加傾向にある。
院GPは先端看護分野に入れている。島嶼保健看護を独立専攻とするか、
今後、検討が必要である。
・宮古島で講義・演習を実施することにより、宮古島の保健医療福祉分野の
人々に継続教育への関心が高まり多少の影響を及ぼしている。今後、長期
的視点で捉える必要がある。
4)島嶼看護教育
沖縄県立看護大学ならではの取り組みだと思う。島嶼看護学という看護学の中の学問領域の発展、あるいは看護のパラダイム転換に多いに寄与できる研究であり敬意を表したいと思う。
島嶼看護学体系を前面に出す必要がある。島嶼看護学を履修することにより身につく能力を明確にする必要がある。
回答:
・島嶼看護学は未確立の状態であり、教員も学生も勉強しながら講義を
行っている現状である。我々が確立しなければならないと認識している。
交流のある大学あるいは研究センターで、類似カリキュラムがどのような構成になっているのか、比較研究的なことも必要になってくると思われる。
例えば、サイパンで島嶼看護をする人たちに求められている能力と、沖縄や宮古島でこのカリキュラムによって求められる能力には、共通する部分、異なる部分があると思われる。国際保健的な、例えばプライマリーヘルスケアとして必要な能力の部分と、それぞれの地域で特化して求められる能力があると思われる。国際比較により島嶼看護学の役割、他の看護学との違い、特異性、特徴をアピールしてほしい。
プログラムはよい。パラダイムシフトするぐらいの大学院を作ったと思う。カリキュラムの出口のことを心配するのはもちろんだが、最初から出口ばかり心配しなくてもよいと思う。勉強させるチャンスである。島嶼ということを、島をメインに考えるのか、海をとらえるかでだいぶ考え方が違う。例えば島嶼を「島」を中心に考えると孤島、孤立して世界が閉ざされる、地のendとなる。ところが周りを「海」と捉えると世界への出口となる。それはパラダイムシフトなので、それをどのように考えるか、そういう意味でも非常にインパクトがある。将来的に、広い意味での研究ということにつながる。
院生にアピールするためには、島嶼は沖縄の島嶼に限定せず世界に広がる、グローカルとして世界に共通のテーマであることにもっと関心・興味をもってもらう。それを一生懸命勉強することによって世界につながるということである。
普遍性があると他の島嶼地域へも適用できるから、他の島々への応用も考える必要がある。
看護大学の島嶼看護研究が他の地域にも大いに益することを非常に期待している。
GP外部評価会議委員名簿
○出席者 |
氏名 | 勤務先・役職 | 開催日 |
3/6(土) | ||
奥濱杖子 | 県看護協会宮古支部長 | ○ |
長浜 光雄 | 宮古島市 生涯学習部長(社会教育課内) | ○ |
前原 澄子 | 京都橘大学 看護学部長 | ○ |
瀬名波 榮喜 | 名桜大学 学長 | ○ |
玉城 英彦 | 北海道大学 教授 | ○ |
植田 悠紀子 | 活水女子大学 教授 | ○ |
仲宗根 正 | 沖縄県中央保健所 所長 | ○ |