島嶼看護

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第 V 章-1 ナーシング・リーダーシップ会議

1.ナーシング・リーダーシップ会議

平成21年度 第1回ナーシング・リーダーシップ会議概要

平成21年10月10日(土) 10:30から12:30までの時間に沖縄県内のナースの
リーダー10名を迎え、ナーシング・リーダーシップ会議を開催した。
参加者は表1の通りであった。

I .院GPに関すること
1.学部GP(Good Practice)と大学院GPの2つが同時に文部科学省に採択され、現在
  とり組んでいるとの説明が野口学長からあった。その概略は以下の通りであった。
 1) 学部GPは島嶼環境を活かして看護を学び、また、大学院GPでは島嶼保健看護の
   高度実践者の育成並びに教育研究指導者の育成が目的である。
 2)大学院GPは来年度国際・国内シンポジュームを予定しており、国内外の国際島嶼
   看護のリーダーをシンポジストとして招聘する。シンポジュームでは県内ナース
   の皆さんと島嶼保健看護について意見交換をしたいと考えている。

2.院GP責任者の神里教授から配付資料に基づき院GPの取り組み状況について、
 下記のような説明があった。
 1)院GPは3年間の取り組みで、平成20年度は大学院の科目の組み立て、
  宮古島教室の設置などの準備期間であった。
 2)今年4月に院生が入学し(博士前期2人、後期2人)島嶼看護の講義が
  スタートした。
  今年9月の入学試験で博士前期課程2人の合格があり、来年度4月に入学予定である。
  また、博士前期課程は3年間の長期履修が可能である。
 3)講義は遠隔機器(テレビ会議システムやFCS)の利用により宮古島やその他の
  島でも受講できるよう学習環境を整えた。

3.テレビ会議システムにより宮古島教室の盛島さん(院生)と交信
 盛島さんより、以下のことが話された。
 1)宮古島教室にはパソコン8台とプリンターがあり、看護大学の院生が講義・研究で
   活用できると共に、宮古島で実習中の学部学生も使用可能である。
 2)機器の操作は大学では東盛さんが、宮古島教室では永井さんが行っている。
   性能のよいマイクが設置されており、講義の内容がテレビ画面で鮮明に映し
   出されて、受講者は安心して講義を受けることができる。
 3)離島にいながら講義が受けられるので、感謝している。

II .院GPプログラムに対する宮古病院側の対応
県立宮古病院 佐久川和子看護部長より下記の報告がなされた(資料1)。
1)県立看護大学・大学院を受け入れて
 (1)宮古島には他にも保健医療施設があるが、宮古病院内に看護大学宮古島教室が設置されよかったと思っている。なぜなら、これまで衛星放送の講義、島外での研修に経費が高くかかっていた。それでも、人材育成は必要であるため毎年、実習指導者講習会に80万円(宿泊費・旅費)使い受講させていた。しかし、これまで宮古病院は実習生の受け入れをしてなかった。今回の学部GPで実習生の受け入れを行なっており、これが現場の人材の育成にも繋がっている。
 (2)学生を受け入れることによって地域の人々にも関心を持ってもらえ、
    看護職を地域全体で育てていることがわかった。
 (3)患者から「看護師さんて、勉強するんだね。大学院にも行くんだね。」と
    言われるようになり、看護職に対し人々の関心を高めることができた。
 (4)院生の研究の様子を見て、「研究ってこんなふうにやるんだな」ということが
    わかり、看護研究への関心が湧いた。
 (5)働きながら学ぶ機会、チャンスがあるのはよいことである。
 (6)患者の視点だけではなく、住民の視点で宮古病院のこと、医療者のことを考える機会となった。
2)遠隔教育システム
 (1)テレビ会議システムを活用して事前に学生へオリエンテーションを行った
    結果、学生の状況が把握できるようになった。さらに、実習に関し不明な
    点も事前に
    確認できるようになった。
 (2)学生の事例報告会を地域の人も含めて聞くことができた。
 (3)神里先生の院生が国立がんセンター・宮古病院・那覇市立病院の3地点を遠隔教育システムで繋ぎ、がん補完代替療法の遠隔教育があった。これまで都会の専門病院と交流する機会がなかったので、今回の遠隔システムの活用による医療機関間の交流は刺激になった。

 

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