島嶼看護

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9.実習所感

海外実習引率の所感

引率教員 大川嶺子

 今回、グアム(人口約17万人)、サイパン(約7万人)、テニアン(約3千人)という人口規模の異なる離島が実習地域として選定された。私の主な役割は、学生の実習計画書に沿った具体的な実習内容の調整と、実習中のスケジュール管理および通訳であった。公衆衛生看護に焦点を当てた学生の実習計画書に沿って、病院と保健所の機能を備えた各島のヘルスセンターを中心に実習を調整した。現地での講義では3地域の保健看護事情を把握するための基本的な講義をお願いし、視察では、グアムでは貧困地域でのヘルスセンターからの家庭訪問、サイパンでは民間訪問看護ステーションからの訪問看護、テニアンではヘルスセンター業務と家庭訪問などを調整した。調整はメールおよび電話で行ない、時には連絡がつかず気をもんだこともあったが、概ね順調に進んだ。
 実習受け入れは3島とも好意的で問題はなかった。特に2日間の参加観察実習を行ったテニアンではヘルスセンターの薬局、予防接種や家族計画などの公衆衛生部門、サイパンへの患者移送の連携を行う部門など各部署に分かれての実習が調整でき、学生が希望した看護者へのインタビューにも充分な時間を割いて頂くことができた。このような看護者および保健所職員の業務に密着した実習によって、学生はテニアンの保健看護事情や住民の健康状況の把握、地域の健康づくりの課題が見えてきたのではないかと思っている。
 今回の北マリアナ地域の島嶼における実習から、本地域は、沖縄からの直行便がないことは残念であるが距離的に近く時差がほとんどないこと、日本人に対する受入が良いことから、実習地域としては適しているのではないかという印象であった。
 この実習は、学生個々が課題研究のテーマと直結する実習課題を設定し計画を立てている。従って、本来ならば学生個々の課題に沿った実習内容の調整が必要であるが、今回は初回の実習ということもあり、指導教員および学生の了解を得て学生に共通する内容で実習を調整させて頂いた。英語でのコミュニケーションが求められている環境で、学生にあわせた個別の実習調整を行い、学生が個々に動ける体制がとれるかが、次回の現実的課題の一つであると考えている。

 

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