島嶼看護

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巻頭のことば

巻頭のことば

大学院GP取組実施代表者
神里みどり

 本大学は、平成20年度文部科学省大学院教育改革支援プログラム(現在:組織的な大学院教育改革推進プログラム)の採択を受け「島嶼看護の高度実践指導者の育成」プログラムを実施し、本年度で無事3年目を迎えることができました。
39の有人離島を抱える島嶼県沖縄にとりまして、この人材育成のプログラムは実に、本大学が醸成しなければならない大きな課題でありました。このプログラムを実践するなかで、国内外の島嶼地域の看護専門職や保健医療福祉職ならびに住民の皆さんのご協力やご支援を賜りながら歩んで参りました。
特に、沖縄はアジア太平洋島嶼地区のハブ地点としてとても重要な地理環境にあります。しかしながら、これまで本大学では、唯一ハワイ大学との交流があるのみで、沖縄に最も近い国外島嶼地域との交流はほとんどなされてきませんでした。
このプログラムの目的の一つとして、グローカルな視点を養うことが盛り込まれています。鳥の目、虫の目のようなグローカルな視点で、県内の離島問題を見据えつつ、県外、国外の島嶼地域の問題にも幅広く視野を広げていきながら、新たなる問題解決の糸口を見つけていけるのではと期待をしています。島嶼看護学を構築していくうえで、このようなグローカルな視点は必要不可欠だと考えています。
今回国際シンポジウムを開催することで、太平洋島嶼地域の保健看護の問題を共有し、ディスカッションを重ねることで、島嶼看護を実践していくうえでの共通理解や共通認識が可能になったのではないかと考えています。もちろん共通点だけではなく相違点もあったと思います。そのことが問題ではなくそれを共に考えていくプロセス、そのことが学問構築のプロセスでは、とても大事だと感じています。
この国際シンポジウムの報告書には、島嶼看護に役立つであろうダイヤモンドの原石のようなヒントがたくさん散りばめられています。その一つ一つのヒントから新たな島嶼看護学の学問へとつなげていける橋も見いだせるかもしれません。皆様と一緒にこの島嶼看護学への橋を作りながら一緒に渡っていけるように、今後とも末永いご支援ご協力のほど心からお願い申し上げます。

 

 

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