島嶼看護

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自己点検評価

H20年度大学院GP自己点検評価書

大学院教育改革支援プログラム
島嶼看護の高度実践指導者の育成
平成20年度 自己評価報告書

沖縄県立看護大学大学院
平成21年6月

本事業実績の概要
 本プログラムの目的は、本大学院の博士前期・後期課程の先端保健看護分野に新たに島嶼保健看護領域を設置し、宮古島を拠点とした教育・研究活動を通して、島嶼の看護活動と多職種連携活動を担う高度実践者、実践的教育指導者の育成を行うことである。平成20年度は、新たな領域である島嶼保健看護領域のプログラム開設に向けて、GP推進委員会の組織の下で、大学院GPワーキンググループを中心に、研究科教務委員会、研究科委員会、FD専門部会、国際交流室運営委員会と協力体制を構築しながら、主に下記の実施計画に基づいて、事業を実施した。

本事業に係る具体的な成果と評価
1.島嶼保健看護指導体制の構築
・島嶼保健看護領域の博士前期・後期課程の科目として9科目のシラバスを作成し、大学院担当教員の専門性を考慮した科目担当の看護教員(教授8名、准教授1名、講師8名)を配置した。シラバス作成、教員配置に関しては、大学院研究科教務委員会を中心として、従来の大学院担当教員全員と検討会議を2回設け(1月・3月)、プログラム内容に関する周知を行い、組織的な教育・研究体制を構築した。シラバスは日本語版と英語版を大学院HPに掲載し公表すると同時に、各冊子を作成して全教員へ配布を行い、シラバス内容の周知に努めた。
・本大学の全教員を対象とした島嶼保健看護に関するFD教育として、島嶼保健看護に関する専門の学外講師(県外講師4名、国外講師1名)を招聘して、講演会を5回開催した(12月〜3月)。FD講演会は、学内だけの教職員だけでなく学外へも幅広く広報し、学内・県内から参加者を募り、大学院教育改革プログラム(島嶼保健看護の育成プログラム)に関する説明を講演会の前に実施し、参加者が本プログラムの趣旨を理解できるように努めた。講演会参加者:377名(延べ人数)。FD講演会の内容はすべて講演集やDVD録画集として編集し、講演集は全教員、大学院在学生や科目履修生へ配布しHPでも公表した。

 評価:4月の入学式後の学生のガイダンス時に活用できるように、院生便覧、シラバスに島嶼保健看護領域の時間割や履修規定、シラバスの内容を掲載し冊子にして、教員・学生へ配布する準備を整えることができた。さらに、シラバスの内容に関して日本語版と英語版の冊子やHPへの公表で、グローカルな視点で情報を共有できる環境作りを構築することができた。大学院の科目はオムニバス形式で、大学院の看護系の教員が全員関与することで、組織的な学習支援体制を構築することができた。今後は、科目の到達目標が一貫して行えるように、教員間の密な情報共有の元に授業を展開し、学生・教員・職員による授業評価なども計画して実施し、大学院GP最終年度に向けて島嶼看護シラバス内容の充実や教授法の改善点を見出していく。
 島嶼保健看護のプログラムを開始するにあたって、島嶼保健看護に関するFD教育を行うことで、各教員の島嶼保健看護に関する学際的な知識の向上に寄与している。

2. 島嶼保健看護領域に関する入学試験の実施
・島嶼保健看護領域に関する入学試験を2月に実施した。島嶼保健看護領域の受験者数は前期8名、後期2名であり、その内、博士前期2名、後期2名、総計4名の合格者を決定した。入学試験や科目履修に関する説明会は宮古島を中心に石垣島、久米島の3つの島で開催し、看護・保健職・多職種59名の参加があった。

 評価:・本年度の宮古島在住の入学者は1名であり、さらなる入学者の確保に向けたPR活動を行っていくことが課題である。また、地域に開かれた宮古島教室の有効利用も含めて考えていく必要がある。
・島嶼看護に関する科目履修に関する説明会を宮古病院の看護師長を中心に開催したが、成果として宮古島からの科目履修生が皆無であり、今後さらなる入学者を意識した後学期の科目履修生の確保や入学試験の受験者の確保に努めていく。宮古島以外の島嶼地区からの入学者が1名おり、遠隔における学習支援体制を強化し学生の遠隔に対する学習上の負担を可能な限り少なくすることが課題である。

3. 太平洋諸島地域との交流準備
・平成21年1月にグアム大学を中心にサイパン・テニアン、3月に台湾医学大学などの医療施設の視察見学と交流を実施し、教員7名が参加し、太平洋島嶼の医療保健看護の現状把握と次年度に向けての実習場の確保の検討を行った。

 評価:・アジア太平洋島嶼の海外視察を通して、国際交流委員会と連携しながら、新たな交流拠点の拡大を視野に入れて、博士前期課程の海外研修や実習を計画して実行していく。博士後期課程に関しては国際島嶼看護の科目の講師選定や国内外のシンポジスト者の選定に際しての情報を得ることができた。

4.宮古島教室開所:平成21年3月末に宮古病院の一室を借用して、宮古島教室を開所しテレビ会議システムの導入、通信環境の整備や通信リテラシーのFDなど、遠隔講義システムの体制を構築した。

 評価:本大学と宮古島教室のテレビ会議システムを活用して双方向による学習環境を整えることができた。主なる島嶼看護関連科目の授業開講日は週末であり、その他にも、コア科目や選択科目などテレビ会議ステムを活用するのが夕方の定例日であり、社会人学生に対して授業に参加しやすい学習環境を構築することができた。さらに、週末や定例日以外の日の宮古島教室の地域に開かれた有効な利用方法も今後の課題として取り組んでいく必要がある。

平成21年度事業計画:島嶼保健看護プログラムの開始と1年目の成果評価
1.島嶼保健看護カリキュラムの開始
 1)島嶼保健看護に関する入学生ならびに科目履修生へのオリエンテーション

 島嶼保健看護に関する講義や演習などは基本的に土曜日・日曜日の週末を活用して開講
 する。さらに新規のビデオ会議システムや遠隔通信システムの理解を深めるためのオリエ
 ンテーションを行い、遠隔で通信技術を適切に活用できるようにする。

 2)プログラムの実施(1年目):特論、演習・実習(宮古島における現地指導教育)
 特論は本大学と宮古島教室の双方向で開講し、宮古島における現地指導教育と本大学か
 らビデオ会議システムを活用した遠隔教育の融合型教育を行う。演習・実習は宮古島の地
 域文化的背景を考慮しながら、かつ現地における保健医療福祉関係者との多職種地域連
 携を意識した演習・実習を計画する。6単位の実習の内、1単位分(1週間)の実習は太平洋
 島嶼地区で実施する。授業評価表を作成し、学生・教員・職員の視点から評価を行っていく。

 3)共同研究プロジェクトの立ち上げと課題研究テーマの決定支援
 特論・演習・実習を通して得られた知識の統合を通して、宮古島における保健医療看護の
 課題を明確にし、研究テーマを選択し研究計画を立案する。

2.太平洋諸島との交流開始
 1)短期研修の条件の整備
:太平洋島嶼地区で開催される学会などの参加を通して、島嶼
 における専門職との交流を深め、情報交換をしながら研修計画を立案する。
 2)短期研修ならびに交流プログラムの開始:グアム・サイパン・テニアンにおける実習の展
 開や近隣の台湾との短期型交流プログラムを開始する。

3.インターネットを利用した遠隔講義および会議の開始
 遠隔講義システム(FCS)による講義参加、テレビ会議システムによる多職種連携会議の
 開催、特に宮古島と本学の学生が遠隔システムを通じて双方向による学習内容の共有の
 ためのカンファレンスの開催など。

4.H20年度と同じ内容:H22年度入学者募集と科目履修生の募集とPR活動、入学試験の
 実施と学生の合格者の決定

5.次年度開催予定の国内・国際シンポジューム案の企画とPR活動

6.1年目の成果評価:学生・学内教員・外部評価委員などで1年目の成果を評価する。

 

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