島嶼看護

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第 I 章−11 国際島嶼看護論 公開講演のアンケート結果

国際島嶼看護論公開講演の評価

第4回目:平成22年1月31日(土)
 テーマ:台湾の看護・医療事情 〜老年看護に焦点をあてて〜
 講師:Ching-Min Chen, DNS, RN(台北医学大学看護学部教授)
 講演への参加者は38人で、22人から評価が得られた。評価の内容は下記の
 表の通りであった。

内容 所属 本学 学外 合計
職種 教職員 学生 その他 看護職 保健医療
福祉職
その他
大変よい 1 2 1 2   2 8
よい 3     5 2 1 11
よくない           3 3
合 計 4 2 1 7 2 6 22

1)参加者のコメント
「大変よい」にチェックした受講者
 ・近い国のヘルスケアが理解でき、よかった。日本では既に取組んでいる事である。
  同様な問題への取り組みに対しChen先生の取り組みには哲学的視点がある。
 ・台湾と日本のヘルスケアの現状比較があり大変勉強になった。経済の発展がある
  とヘルスケアが進歩することが理解できた。
 ・台湾が抱えている高齢者の問題、それに対する国/大学のプログラムについて
  詳しく学べ、大変参考になり、これからの学習にプラスになった。
 ・台湾における地域看護・地域保健看護・公衆衛生看護の考え方が理解できた。
 ・ヘルスケアシステムが17地区で展開されていることなど(沖縄の保健医療圏に
  相当するシステムかな)が理解できた。
 ・少子高齢化への対応ができ、「老年看護」は大学では医療科目になっていること
  にびっくりした。
 ・自転車モデル、チェーンモデル、ミッキィマウス・モデルは分りやすかった。
 ・結果的にはどこの国も、現在、またこれからの老齢化社会においける長期的な
  思想が求められていることを痛感した。

「よい」にチェックした受講者
 ・もっと離島の看護に焦点をあてて話してもらいたかった。
 ・島嶼のテーマで具体的に話してもらいたかった。概論が多く、少し焦点が
  ずれていた。
 ・世界で高齢化が進み問題となっていること、さらにその中でも日本の高齢化が
  進んでいることを改めて実感した。
 ・台湾は日本の包括モデル(高齢者ケア)の良いところを取り入れていることが
  分った。シンプルで理解しやすい。今後はこのサービスの提供側と受給側の
  問題点や対策などを教えて欲しい。
 ・老年看護の実際をもっと教えて貰いたかった。
 ・看護について、もう少し具体的なことが聞けるとよかった
 ・高齢化など日本と共通する点があり、これから情報交換できるとよい。
 ・中国本土との対立や協調があると思うが、政治的な面がヘルスケア対策に
  どのように影響しているかが知りたかった。
 ・ヘルスケアシステム・プラン作りが重要と思った。
 ・長期ケア、慢性期ケア、ソーシャルケアがリンク(維持、統合)され、
  組織・機関が確立していることが分った。

「よくない」にチェックした受講者
・通訳がよくなかった
・ポスターに「台湾の看護事情、医療事情」とあって興味があったが、内容がヘルス
 ケアとなっており期待していた内容と違っていた。
(正しくは「台湾の看護・医療事情 〜老年看護に焦点をあてて〜」である。
 院GP担当者のコメント)
・台湾の人々が何を求めているのか知りたかった。
・公衆衛生看護師の内容が分るとよかった。

2)研修の企画運営
 ・日本への示唆が得られる国を入れるとよい。
 ・遠隔システムでの講義は、時間的によい。また最も大きなメリットはリアルタイム
  で僻地でも講義が受けられることである。今後もこのような企画をお願いしたい。
 ・通訳は課題が多い。

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第5回目:平成22年3月13日(土)
 テーマ:島嶼学(Nissology)と島嶼問題
      島嶼の課題解決にどうこたえられるか
 講師:嘉数 啓 博士(琉球大学名誉教授)

参加者は34人(本学29人、宮古4人、波照間1人)で、23人から下記の通りの評価が得られた。

内容 所属 本学 学外 合 計
職種 教職員 学生 看護職 保健医療
福祉職
その他
大変よい 11 1 2     14
よい 1 1 3 1 1 7
よくない          
未記入 2         2
合 計 14 2 5 1 1 23

1)参加者のコメント
「大変よい」にチェックした受講者
 ・島嶼の定義・分類・特性の視点から、基礎的な概念を明確にすることができた。
 ・学会設立の経緯、国際的な背景などについても第一人者から直接聞けて、学会
  が身近になった。
 ・島嶼学の可能性、沖縄の位置づけが明確になった。
 ・島嶼看護学の課題が少し見えてきた。
 ・博士後期(島嶼看護領域)学生の研究指導に関し、すばらしいヒントを得た。
 ・沖縄県内の離島を外からみる、他の離島と比較するという点がよかった。いかに
  離島の自立性を高めるか、そして良さを発信するかについて学べた。
 ・「島嶼」という概念を学び、「島」というこだわりを地球規模で考える視点を
  もつきっかけになると思う。
 ・「島」の利点をいかし、「島」から発信できる仕事に協力できたらいいと思った。
 ・具体的な指導があり、学びになった。
 ・世界・日本・沖縄の島について具体的にイメージすることができた。今後、島が
  持続するために必要なポイントが学べた。
 ・我々の専門分野をより理解するために、嘉数先生のような他分野の先生の話は
  これからの視点を豊かにしてくれた。
 ・保健看護の視点から経済・地理・産業をみると、生活している住民を理解する上で
  とても深まった。
 ・沖縄の離島のことを興味深くきけ、知識が向上した。

「よい」にチェックした受講者
 ・島々の説明が多く、本論の時間配分が少なかった。
 ・看護だけでなく違う面から島を見ることが出来た。
 ・離島の弱点を強みに変える、短所は長所になり得ることが示されたと思う。
 ・島嶼学とは何か。また身近な沖縄の島嶼の特性や、日本や世界の島嶼の特徴
  などが勉強できてよかった。
 ・少し内容が難しかった。
 ・異なる分野との交流の大切さが自分の分野を豊かにすることが学べた。
 ・島が自給自足を目指すことは、地球環境のコスト低下に繋がることが学べた。
 ・島にいる人は複数の技術を持つことで、島をもっと豊かに出来るが、そのた
  めにはどこでその技術を得るか、高めるかと多くの分野の積極的なかかわり
  が必要と思われる。

評価欄が未記入の受講者
 ・島嶼だけでなく、モノの考え方についても学んだ。
 ・島嶼学の概念が広く理解でき、また具体的な課題までが理解できた。

2)研修の企画運営
 ・貴重な講義なので、学内外へのPRをもっと徹底して欲しい。
 ・大学院担当教員のFDとして貴重な企画であった。
 ・講師の選定がよかった。学術的であった。
 ・時間管理を!
 ・参加者が少ないのは残念であった。
 ・他分野の研修を取り入れたのはよかった。

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第6回目:平成22年3月20日(土)
 テーマ:ニュージーランドにおける島嶼看護の役割と実践活動
  講師:Jean Ross (オタゴ ポリテクニック 看護学部主任講師)
 テーマ:太平洋諸島における地域密着型参加研究
  講師:Kristine Qureshi(ハワイ大学看護学部准教授)

参加者 は31人(本学25人、宮古4人、FCS2人)のうち、19人から下記の通りの評価が得られた

内容 所属 本学 学外 合計
職種 教職員 学生 看護職 保健医療
福祉職
その他
大変よい 6 1 1 1 1 10
よい 2   2     4
よくない 1         1
未記入 1 3       4
合計 10 4 3 1 1 19

1)参加者のコメント
「たいへんよい」にチェックした受講者
 ・看護における研究とは、研究のあり方、研究方法について学ぶことができた。
 ・人を対象にしているため、当事者を含めて健康上の課題に取組むことが大切
  だと再認識した。
 ・研究の視点が分って勉強になった。
 ・今回はニュージーランドの現状などが知れて楽しかった。
 ・島に関連する内容・要素について知ることができた。
 ・CBPRというプロジェックトに研究が移行している事を学んだ。
 ・"看護研究"というのがあるのか?「看護の研究は学際的に研究しなければ」
  という主張に同感である。

「よい」にチェックした受講者
 ・ニュージーランドのRoss先生の後半の島嶼看護について、もう少し詳しく
  聞きたかった。
 ・米における新しい研究の動向や研究に関する学部教育の方向性について知る
  ことができよかった。
 ・ニュージ−ランドでの島嶼看護実践と共通点があり、楽しく受講できた。

「よくない」にチェックした受講者
 ・観光案内はやめて欲しい。そのために貴重な休日を使っているわけではない。
 ・分かり切ったことをへたに説明する必要はない。(例:NP,RN,EN)
 ・エビデンスの探究的な説明は不要。(看護実践の理論というテーマにそって
  実践を具体的に述べこと)

評価欄が未記入の受講者
 ・Ross先生の地域看護の部分はスキップしていたので、少し残念であった。
 ・Qureshi先生の学際的研究の重要性は、今後の研究の方法性を指摘しており、
  よかった。

2)研修の企画・運営
・同時通訳を含む90分の講演は短い。もう少し、内容を深く聞きたい。
・よい企画運営であった。
・時間の都合上省略された部分があったのは残念である。
・博士課程の講師として適切であった。
・外国から時間と金をかけて講師を呼ぶ場合、企画する側が内容の調整をきちん
 と行なうことが必要である。スライド原稿が届いた時点でも調整が可能と思う。
 ニュージーランドの講師の前半は基本的には不要。
・講師を決める時、本人が書いてある主要な論文について、その内容を紹介して
 みてはどうか。研究疑問、対分析方法、結果、考察を丁寧に伝えることで学問的
 理解が深まる。

 

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