島嶼看護

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9.実習所感

海外のパワフルなナースたち

学生氏名:美底恭子

 今回の海外研修は、初めて行く島々であり、グアム・サイパン・テニアンでの看護大学・病院・ヘルスセンター・訪問看護事業所・老人センターなどを訪れた。実習目標は、グアムではグアム大学で看護教育や看護職への現任教育の現状について・病院やヘルスセンター(HC)の役割や看護業務について学ぶこと、サイパンとテニアンでは、住民の健康問題や地域特性を知り、中核HCと周辺の島々で働く看護職や訪問看護事業所の役割や課題について学ぶこと、特に島嶼における内服管理に焦点をおき看護職の役割や自宅での自己管理状況を把握することを挙げた。グアム大学では遠隔で大学講義が受講出来る事や、教育プログラム(実習時に学生と病院看護師などが一緒に課題に取り組み地域での研究発表を行ったりする事など)などから、学生と看護職者がお互いから学ぼうとする姿勢が、とても活気的で効果があがる方法だと関心した。グアム・サイパンでは離島を抱える中核ヘルスセンターの支援体制や急患発生時の近隣の大都市への搬送(ハワイ・フィリッピンまた名古屋など)の連携体制があり、搬送適応の判断が難しい事が課題であること等を学び、沖縄県の急患搬送体制と同じ課題があると感じた。
 サイパンでは訪問看護事業所2か所で、訪問看護師に同行し利用者の家を訪ねた。看護師のほとんどがフィリピン人で、現地のチャモロ語しか話せない利用者のために言葉を学び、笑顔で実践を行い利用者もとてもうれしそうに「きてくれると助かるねー」と心配ごとの相談をしたり、信頼関係ができているように思われた。
 看護師たちが笑顔で「患者と接しているのはとても楽しい」と答え「今後は高齢者看護と精神看護(ターミナルケア等のために)が必要になってくるので学ぶため大学で勉強したい」と向上心が常にあることが印象的だった。
 また興味があったのは、現在勤務している波照間島に一番似ていたテニアンでの実習だった。人口2600人という島にヘルスセンターが1か所しかなく、医師1名、ナースプラクティショナー(NP)1名、正看護師5名、准看護師2名で外来患者を診察しており、入院施設はない。そのNPの診察を見学させてもらい、また夕食に招いてもらう中で、看護の役割の他にもやりがいや課題、生活上困っていることなどを聞いていると、離島看護師としてもっと技術や知識を持つため常に勉強し、島がとっても大好きで貢献したいと思っていること、狭い地域で暮らしているのでパーティなど呼ばれても行けない事(1つ行くとひがみが出るので行かないようにしている)長期の休みがなかなかとれないことなど、似たような考えがあったりストレスがあったりとても共感がもてた。彼女も逆に沖縄の離島についてとても関心があるようで、人口は?看護師何名?患者は?病気は?などと質問を受けた。波照間の紹介ができるように写真など持っていくべきであったと後悔し、また語学力を身につけていれば、聞きたい事や質問にも答えられたととても残念であった。しかし帰国後彼女にメールを送り、波照間島の紹介と聞きそびれた質問を聞いたりして、実習だけで終わりではなく今後も情報交換をしていきたいと考えている。
 また老人センターで出会った気さくな70代の男性の利用者の方も、グアム・サイパン・テニアンで共通のIDカードを利用し、老人センターを利用しているパワフルな高齢者であった。彼はサイパンの老人センターでパソコンを習得し、インターネットでUSAから降圧剤を購入し飲んでいた。記念撮影をした写真を帰国後彼にメールし、喜びの返事も届いた。これも波照間に帰りさっそくデイサービスでパソコンに興味がある利用者をつのってみる事を提案した。彼とメール交換できるオバーができたらいいなーと思っている。
 今回の実習で出会ったナースたちは、とてもパワフルで患者のため自分の技術・知識を高めるため学ぶ事を継続し、看護職をとても誇りに思って日々活動していることが印象的で、私も同じ気持ちで現在大学院で学んでいるので、これからも何らかのつながりを彼女たちと持ち、お互いに向上できるよう頑張っていきたいと感じた。

 

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